寒い季節はスープの温かさと美味しさが身に沁みますね。じゃがいも、にんじん、玉葱などの根菜御三家を中心にした具沢山のスープを紹介したいと思います。具沢山のスープは、三ツ星レストランなどではあまり見かけない、どちらかというと郷土料理の色合いが濃くて、ほっこりします。日本ではスープは飲むというイメージですが、欧米では食べる感覚のところが多いみたいです。

フランスのスープというと世界三大スープにも挙げられているブイヤベースが思い浮かぶかもしれませんが、あれは海鮮たっぷりで少々値が張る料理なので、また別の機会に紹介させていただきます。今回は根菜を使った素朴な具沢山スープを紹介いたします。

南フランスの代表的な料理です。ピストゥいうバジルペーストを上に乗せるのが特徴です。ピストゥはイタリアのジェノヴェーゼのようなもので、ジェノヴェーゼは松の実を入れますが、ピストゥソースにはナッツを入れずにバジルとチーズやトマトだけで作ります。じゃがいも、にんじん、玉葱のほかにはズッキーニと白いんげん豆が入っています。フランスの田舎風スープにはよく白いんげん豆が使われています。
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フランスとスペインの国境付近にあるベアルヌ地方に伝わるガルビュールというスープです。根菜のほかには塩漬けの豚肉、キャベツ、それに白いんげん豆を入れるのが定番になってます。豚肉の代わりにハムやベーコンで代用する人もありますが、一晩だけでも塩漬けにした豚肉は、スープに入れるととってもコクがでて味わいが深まります。これは近藤史恵さんのビストロ・パ・マルシリーズで紹介されていました。
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イタリアの具沢山スープというと某ファストフードで販売されえたミネストローネが最も馴染み深いと思います。トマトベースのスープの中にじゃがいも、にんじん、玉葱、パスタ、豆などがごっそり入っています。ただ、イタリアではトマトスープに限らず、コンソメでもクリームでも野菜の入ったスープななんでもミネストローネというそうです。

フランスのガルビュールと似ていますが、こちらはイタリアのトスカーナ地方の郷土料理です。リボリータのリ=再び、ボリータ=煮込むという意味で、前の日のスープに硬くなったパンを入れて再び煮込んだことに由来します。なので特に決まったレシピがあるわけではないのですが、最近では白いんげん豆と黒キャベツを必ず入れることが定番になっているようです。とはいっても日本では黒キャベツを手に入れるのは難しいので、キャベツとほうれん草などを合わせているレシピが多く見られます。
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イタリアのスープは具の少ないものからミネストラ→ミネストローネ→ズッパという呼び方に変わります。ズッパはパスタや穀物が入っていることが多く、スープというより粥に近いものなのだそうです。プリマヴェーラは春、ブロッコリー、さや隠元、グリーンペースなどの緑の野菜をたくさん入れた、まさに春のスープです。
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イタリアには具沢山のスープはたくさんありますが、スペインにはほとんど見られません。ポルトガルは野菜のスープはあるにはあるのですが、じゃがいもをマッシュして牛乳やクリームは加えない不思議な食感のものが多いです。しかし具沢山のスープも存在します。フランスや中国にも石のスープの伝説がありますが、ポルトガルにもありました。

ソッパはポルトガル語でスープ、ペドロは石です。このレシピは特にこれとう決まりはないようですが、根菜のほかにベーコンを加えることが多いようです。それから野菜の大きさを同じくらいにすることとじゃがいもを茹でる前に一度水に浸すか水洗いしてぬめりを取り、スープが濁らないようにして、水の中に石ころがたくさん入っている感じに演出します。
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ブロスというのは本来出汁のことで、肉や野菜を煮込んで具材を裏ごししたり取り除いたスープ部分だけを使います。フランス料理のフォンドボーやフュメドポワソン(魚出汁)などはそういう風にできています。このアイルランドの料理は野菜がもったいないからスープと一緒に食べてしまおうという料理です。玉葱の代わりにリーク(西洋ネギ)が使われているのが特徴です。
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フィンランドやスウェーデンはじゃがいもなどの根菜を使った料理がたくさんあります。フィンランドでは鮭を入れたロヒケイットが有名ですが、肉を使うものもあります。このリハケイットはフィンランドのビーフスープで、日本人の感覚で言うとルーを加える前のカレーやシチューといった趣です。
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ハンガリーを代表するスープ、グヤーシュです。ハンガリー料理を風味づけるのはパプリカとパプリカパウダー。それからラードをバター代わりに使ったりするので、慣れないと少しくどく感じるかもしれません。日本のパプリカは甘いものしかなく、スパイスのパプリカパウダーも甘いものしかありませんが、ハンガリーのパプリカは辛く、スパイスのパプリカも甘いものと辛いものがあるんだそうです。なので日本で作る場合はパプリカの代わりにピーマンを入れ、スパイスはパプリカとチリパウダーで代用するといいかもしれません。
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ご存じ世界三大スープの一つとされるボルシチです。三大スープはふかひれスープとブイヤベースは確定なんですが、ボルシチとタイのトムヤムクンで残り一枠を争っているみたいです。個人的にはボルシチに1票なんですが。
ボルシチの味の特徴はビーツ。これが入っていないとボルシチとは言えません。日本人にはちょっと食べなれない味ですが、慣れると結構はまりますよ。
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日本からも代表的な具沢山スープを二品紹介します。と言っても、もうおなじみで敢えて紹介するほどのことないかもしれません。